土壌に含まれる固定態リンを抽出できる樹脂の特性とその作物栽培における効果
活性アルミニウム(Al)や活性鉄(Fe)を多量に含む火山灰土壌では,リン酸がそれらと強く吸着し,難溶性となる.近年,リン酸肥料は,リン鉱石の枯渇により高騰しており,土壌中の難溶性リンを再利用する手法の開発が期待されている.この難溶性リンを溶出できる資材としてポリアクリル酸Na(以下SAP)が提案されている(井上ら,2023).そこで,SAPを施用した土壌でレタス栽培試験を行い,レタス生育に与える影響を解析し,農業現場において実用性があると予想され,本研究を行った.