テトラベンゾ[b,g,k,p]クリセンの新規合成経路の開発

多環芳香族炭化水素の合成は、機能性有機材料を開発する観点から注目を集めている。今回我々は、テトラベンゾクリセンを安く大量に安全かつ高品質に合成する経路を新規に開発した。具体的には、第一に市販のベンゾフルオレノンを亜リン酸トリイソプロピル溶媒中にて加熱し、対応する同種二量体であるスピロケトンを調製する。続いて、還元してスピロアルコール体とし、最後に酸触媒を用いてテトラベンゾクリセン骨格へと誘導する。生成物は異性体混合物となるが、適切な溶媒を用いて再結晶操作を行うと、片方の異性体だけが純品として得られることを見出した。

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