熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂の分子設計による高性能化
ポリベンゾオキサジンは1,3-ベンゾオキサジンの開環重合により得られ、その化学構造からフェノール樹脂の一種とみなされる熱硬化性樹脂である。モノマーであるベンゾオキサジンはフェノールとアミンから容易に合成でき、そのモノマーを加熱するだけで開環重合が進行するため触媒を必要とせず、重合課程での副生成物の発生も少なく、ボイドフリーかつ寸法安定性も良い。また、骨格中にヒドロキシ基を有しているにもかかわらず吸水性が低く、誘電率も低いといった長所があり、絶縁電子材料、接着剤、FRPのマトリックスなどとしての利用が期待されている。本発表では、我々の研究室で実施している分子設計による高性能化について紹介する。